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5600の依頼内容を見て、感じたこと

~新入社員への仕事の依頼で重要なポイント

久しぶりのコラムですね。

今回は1か月前に、『casica』ご導入の企業様で、

50数名の新入社員が使用した『casica』を、拝見して感じた事を書きます。

 

この企業様は、新入社員研修終了時に私が『casica』の使い方を説明し、

職場配属前に14冊配布しました。(50×4なので、今回200冊以上を拝見しました)

職場では、上司や先輩の指示1つに付き見開き2ページ使用することになります。

全員使い切っていたので、単純計算で、128の依頼×4×50で、その数は・・・

5600依頼(そんな単位ありませんが)になります。

 

まず、11冊拝見してみて、

casica』を職場でしっかりと使用して頂いたことに対して、

開発者として嬉しくなりました。

パラパラめくっていて、

・仕事に四苦八苦する新入社員の様子

・結局できずに、仕事の依頼者に巻き取られている様子(気落ちする新入社員)

・上司や先輩からの厳しくも優しいフィードバック

・新入社員が仕事を通じて獲得した気づき

などが書かれ、職場がありありと目に浮かびました。

 

その中で、一番感じたこと、それは

『上司や先輩の依頼に意図があるか無いか』の重要性です。

(機密情報、個人情報の関係で、詳細は開示出来ないのですが、)

casica』を見ていて、

上司や先輩の依頼に意図があるか、一目瞭然でした。

拝見して

「この上司はちゃんと意図をもって、仕事を依頼しているな~」と思ったタスクに対する

その上司のフィードバックは、極めて的確ですし、本人も振り返りの質は深まります。

それに対して、

「この上司は、どんな意図を持っているのかな?」と感じるものは、

上司からのフィードバックは不明確で、

本人も“出来た/出来ない“レベルの振り返りになっている傾向が強く見られました。

 

先方人事からも

「『casica』の導入の副産物は、

配属先の上司のマネジメントの様子が手に取るようにわかるようになったことだ」と述べられ、

来年のマネジメント研修の内容に、

「仕事の依頼」という項目を入れるか、検討する事にしたそうです。

 

近年「経験学習」という言葉が流布してますが、

仕事をマネジメントする範囲が狭い若年層にとって、

職場での経験とは、上司からの依頼(仕事の割り振り)が大きなウェイトを占めます。

新入社員の育成の為に考える観点は様々なものがありますが、

一度「上司が依頼する仕事に意図をもっているか、どうか」点検してみることをお勧めします。

  

松本 宜大