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有司を引き立て、気乗り能き様に駆使する事、要務にて候。

~佐藤一斎「重職心得箇条」に学ぶ

 先日、『casica』をご購入頂いた企業で、

上司やOJTトレーナー向けに『casica』の説明を2時間ほどさせて頂きました。

・はじめに

説明会の目的と目標(アイスブレイクも簡単に)

・仕事のさせ方

・『casica』の使い方

・仕事を通じた人材育成

・ロールプレイング

・終わりに

・質疑応答

という流れで進行しました。

 

そこで、

「『casica』を使って、コト(業務関連)についてやり取りするだけじゃなくて、

大事なのは、新入社員の“ヒトとしての部分“ですよ。」

って話をしました。

具体的には、

「何を思い、何を感じたのか」っていう部分。

そこを大事にしてあげること。

その上で、本人のやる気を引き出すってこと。

についてお話ししました。

(脱線ですけど、“動機付け”って言葉は余り好きじゃないです。

 他律的で操作的な感じがして、、)

 

ただ、最近思うんですが、

「やる気を引き出すコミュニケーション」を取れない人が多いと感じています。

それは、自身が“やる気を引き出された”経験が少ない(だからイメージできない)

っていう事なんじゃないでしょうか?

自分が新卒で入った会社では、(毎回ではないけど)

上司や先輩とのやり取りで、やる気があがった、やる気がわいてきた、

っていう経験がありました。

この20年、様々な職場が人不足、業務過多、多忙によって、

失われた20年は、『やる気喪失の20年』だったんじゃないかな?

って思ってます。

 

実は、

今回から、上司/OJTトレーナー向けの説明資料(PPT形式)で、

ご購入頂いたお客様にお渡ししてますが、、、

https://www.casica.me/news-03/

その中で、江戸時代の儒学者の佐藤一斎の『重職心得箇条』の一節

「二.・・・有司を引き立て、気乗り能き様に駆使する事、要務にて候。・・・。」

を引用してます。

簡単に言うと、

「部下を引き立て、気合が乗るように使わなくちゃいけませんよ」

みたいな意味です。

 

その後に、

「又些少の過失に目つきて、人を容れ用いる事ならねば、取るべき人は一人も無き之れ様になるべし。」

「人々に択り嫌いなく、愛憎の私心を去って用ゆべし。」

「自分流儀のものを取り計るは、水へ水をさす類にて、塩梅を調和するに非ず。」

「平生嫌ひな人を能く用いると云ふ事こそ手際なり。此の工夫あるべし。」

といった言葉が続きます。

 

誰でも(もちろん自分にも)「私心」や「好き嫌い」はあります。

大事なのは、それに「認知的」でいる事だと思ってます。

部下に対して、やる気に関わる時に、

自身の「私心」や「好き嫌い」が変な作用をしていないか

リフレクションしてみるといいでしょう

   

松本 宜大